失敗しない住まいの選び方①

1. 住まいの種類

ニューヨークに留学する際、学校選びより大変なのが住まい選びです。

学校がホームステイや宿泊施設を紹介している場合は、そのサービスを利用すると入居手続きは簡単ですが、入居しても費用やその他諸々の理由で、早い段階でアパートへ移るケースが多くみられます。学校を通して申し込む滞在先は、長期間ではなく、最初の数週間として考えておくと良いかも知れません。

近年は、インターネットを利用して渡米前に自分でアパートの部屋を見つけようとする学生も増えています。

ただ、一度もニューヨークを訪れたことがない人にとっては、現地の地理や地下鉄路線がわからない上に、入居前に見学もできないのであまりお勧めできません。

単に募集記事の内容だけを信じて契約するにはリスクが高すぎるからです。

ここでは、まず、様々な滞在方法について説明していきましょう。

(1) ホームステイ

「アメリカでホームステイ」と聞いてどんな生活を想像しますか。

朝から家族で食卓を囲み、英語で会話をする光景でしょうか?

それとも、週末に家族でバーベキューを楽しむ姿でしょうか?

ニューヨークのホームステイはちょっと様子が違います。

ニューヨークは英語を母国語としない人が大勢暮らしている街です。

英語は話せるものの、家庭ではスペイン語や中国語など、英語以外の言語を話すホストファミリーがたくさんいます。

ニューヨークのホームステイは、アメリカ人家庭で暮らすことではなく、「英語が通じる家庭に滞在すること」だと思ってください。

アジア系、ヒスパニック系、アフリカ系など人種も様々です。

ファミリーではなく、一人暮らしのホストも少なくありません。

また、マンハッタンからかなり離れた地区に家がある場合もあり、通学に一時間以上かかることもあります。

ニューヨーカーは皆忙しく、日本人留学生の受け入れ理由も「交流するため」というよりも間貸し感覚です。

毎日ホストマザーの手作り料理を家族揃って食べる家は少ないと思って下さい。

週末にはどこかに連れて行ってくれるという期待も持たないように。

もし、連れて行ってくれたらラッキーぐらいに考えて丁度良いでしょう。

学校やエージェントを通してホームステイを申し込む場合、学生側からホストファミリーを選ぶことはできません。

ペットアレルギーがある場合や、子どもが好きなので小さい子がいる家がいいという程度の希望は言えますが、人種・家族構成・職業などについての要望は出せません(出しても通りません)。

まるで、ないないづくしのように聞こえるかもしれませんが、これがニューヨークのホームステイの現状です。

費用も高く、色々な条件を総合的に考えると、ニューヨークでのホームステイは割に合わないと感じるケースも多いでしょう。

ホームステイを斡旋している学校の担当者でさえ、そのように言う人がいます。

これらのことを踏まえた上で、それでもアメリカの家庭で生活してみたいという人は一度体験してみるのも良いかと思います。

何事も経験ですし、案外、そこから新しい世界が広がるかも知れません。

ここで、ホームステイの良いエピソードとそうでないエピソードを一つずつご紹介しましょう。

まずは良いエピソードから。

これは、数年前、私がお世話をした語学留学生Aさんの体験です。

日本の大学で人種のマイノリティーについて勉強していた女子大生Aさんが、夏休みを利用してニューヨークに一ヶ月ほど来ました。ホームステイ希望です。

学校が斡旋した滞在先は、ラッキーなことにマンハッタンのアッパーイーストサイド、高級住宅地として知られているエリアです。

通学時間も地下鉄で15分という便利さです。

ホストファミリーは子どものいない黒人ご夫婦でした。

2人ともフルタイムで仕事をしているため平日は忙しくしていますが、夕食は揃って食べることが多く、その際にはAさんとも会話が多くあったそうです。

Aさんの知識や英語力が備わっていたので、会話が弾んだのでしょう。

帰国後、Aさんからは喜びの声が届き、留学手配をした私もとても感謝されました。

このケースの良かったところは、まず一つにホストファミリーが家賃稼ぎのためだけに留学生を受け入れている家庭ではなかった(金銭的に余裕のある家庭)ということ。

そして2つ目はAさんの興味のあるマイノリティーという分野について実体験を話してもらえるまさにドンピシャなファミリーであったことです。

ステイ先を斡旋した学校、温かく受け入れて下さったご夫妻、そしてAさんの日頃の努力とお人柄、これらの条件が相まって良い結果となりました。

次に、残念なケースとして、近年実際にあった事例をご紹介します。

自分で語学学校に入学手続きとホームステイの申し込みをしたある男子学生の体験です。

マンハッタン郊外の某アジア系民族が集まる地域に滞在することになったのですが・・・。

申し込み時の話では、部屋は個室で、食事は一日に朝夕の2食提供されることになっていました。

ところが、入居してみると一部屋に他の留学生と一緒に3人で住むように言われ、ベッドも二段ベッドでした。

しかも、食事は2~3日に1回ホストマザーが大鍋でスープのようなものを作るだけで、それを自分たちでよそって毎日食べていたそうです。

ホストファミリーはというと、なんと自分の家族の分だけ別に料理を作って、別の部屋で食事をしていたというのですからヒドイ話です。

その家庭でもう一つ驚いたことは、トイレットペーパーをトイレに流してはいけないというルールがあったことです。

流すと詰まるので、使用したペーパーは横のごみ箱に入れるということでした。

どうやらそのホストファミリーの母国では、トイレットペーパーは使用せず、くみ置きしておいた水で洗う習慣があるということがわかりました。

確かにニューヨークの水洗トイレは日本と比べると詰まり易いのですが、トイレットペーパーを流してはいけないなどというのは私も初めて聞く話でした。

人種のるつぼと言われるニューヨークですから、これも貴重な経験だと前向きに捉えることができれば、それはそれで良いのかも知れませんが、その学生はほどなくして転居しました。

この話には続きがあります。

通常なら退去時に返してもらえるはずのデポジット(家賃の1ヵ月分)が返してもらえないというのです。

留学生が入居時にサインをした英語の契約書にはにはデポジットは返金されないと書かれてありました。

ホームステイを斡旋する学校が留学生にこのような契約をさせることはありませんから、相談を受けた私は直ちに学校に問い合わせました。

すると、驚いたことに

「うちでは学生に滞在先の斡旋はしていない」

と言うのです。

後でわかったことですが、どうやらその学校のスタッフが個人的に学生にホームステイ先を紹介して紹介料を取っていたようです。

結局、それ以上学校側から回答はなく、契約書にサインをしたのは学生本人だから自己責任ということで、その学生はデポジットを返してもらうことなく、泣き寝入りをしました。

このケースでの教訓は、学校の公式サイトやパンフレットに載っていないサービスを学校スタッフから持ちかけられたときは気をつけろということです。

もちろん、これは稀なケースで、管理のきちんとできている学校であればあり得ない話なのですが、一応この学校も留学生の受け入れ認可を得て営業しており、日本人向けに広告も出していますので、いつまた学生が同じ目に合うかわかりません。
注意しましょう。

(2)親類・知人宅

ニューヨークに親類や知人がいる場合は、とりあえず最初の数日間はそこにお世話になるという人が多いです。

知人宅に滞在している間にアパートを見つけて出ていくつもりだったのに、アパート探しが思いのほか大変で、引越し先がなかなか決まらないという話もよく聞きます。

引越し先が見つかるまでの数日間という約束ではなく、最初から長期間お世話になることが承諾済みなら、一番安心できる滞在方法と言えるでしょう。

(3)大学寮

寮を斡旋する大学に留学する場合は、法律に関わるトラブルに巻き込まれることはまずありません。

費用は高めですが、規約がきちんとあり、管理もされています。シェアメイトも同じ大学生の場合が多いので安心です。

入居時にサインをした書類内容と違う点があれば、大学の担当者に相談して対処してもらいましょう。

(4)学生レジデンス(レジデンスホール)

主に学生やインターン生など若者が多い宿泊施設で旅行者も滞在しています。

通常、キッチンは共有で、バスルームは各部屋についている所もあれば共有の所もあります。

部屋のタイプはレジデンスによって、1人部屋、2人部屋、3人部屋があり、ジムやプールなどを利用できる施設もあります。

YMCAという施設は、旅行者や短期滞在者も滞在するため、入れ替わりが激しく、会員向けのイベントや地域の子ども向けのクラスなども行われているので、常に賑やかです。

高額なものになると、学生レジデンス用のフロアがホテルの中にあるものもあり、ラウンジや広い共同キッチンがあります。当然、滞在費も跳ね上がります。

学校や留学エージェントを通して手配可能な学生レジデンスは他にもありますので、問い合わせてみると良いでしょう。

費用はいずれも月1,300ドル以上になります。

(5)アパートメントホテル

アパートメントホテルとは、家具付きのアパートを宿泊施設として貸し出しているものです。

ニューヨークでは、昔からラジオシティ・アパートメントが有名です。

その他、誰もが知る有名なガイドブックやインターネットの情報サイトで「アパートメントホテル」「ゲストハウス」「ドミトリー」と宣伝しているものもありますが、合法か非合法かはわかりません。日本人が経営しているものもあり、その安心感と価格の安さから多くの日本人が利用していますが、消防法やその他法律に違反していて摘発されることが時々あります。

あまり治安の良くない地区にある場合もあるので、利用する場合は事前に周辺環境を調べることをおすすめします。

(6) アパートメント

ニューヨークの生活に慣れてくると、多くの学生が自分でアパートを探し始めます。

探す方法として多いのは、

・インターネットの掲示板

・学校や日本食料品店の掲示板

・友達の紹介 など

インターネットの掲示板をまだ見たことがない人は、「ニューヨーク アパートメント 掲示板」と検索してみてください。日本語の掲示板がいくつか出てきます。それらを見ると、大体どんな感じで募集が出ているかわかると思います。

次の章からは、留学生が多く経験するこのシェアアパートメントについて詳しくお伝えしています

一般的な留学生の予算内(月600ドル~1,000ぐらい)の部屋探しについて実用的な内容となっていますので、是非参考にしてください。

 

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